くわこの日常

日常のインプットをアウトプットするブログです

お正月なので1687年から続くテーマパークに行ってきました

「かしこみ~かしこみ~も申す~~」

ここは鹿島市祐徳稲荷神社の本殿。今日は会社の新年祝賀式。式の前に社員全員で参拝するのが、毎年恒例の行事です。

 

ファサッ、ファサッ。神主さんが参拝者に向かって御幣をふります。心清らかな気持ちで頭を下げます。

……下げますけど。どっちかっていうと気になっているのは、本殿の絢爛豪華さ。天井の色彩豊かな絵。巫女さんたちの舞の優雅さ。

 

お稲荷さんと言えば、朱色の鳥居を思い浮かべる人も多いでしょう。祐徳稲荷神社は三大稲荷の一つです。本殿はもちろん神社全体が朱色と金色に包まれています。これでもか! っていうくらい、極彩色で派手で豪華です。日本の「わび・さび」的な雰囲気というより、ちょっとアジア的な文化を感じます。祀られている神様の好みなんでしょうか? 

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そんな神社は300年以上前の人にとって、心ウキウキ夢の国に見えたのではないでしょうか? それはまるで、現代のテーマパークのようです。大人も子供も一歩入れば、日常を忘れる場所です。

 

ということは、祀られている神様はディズニーのキャラクターたち? 神様、「不謹慎!

」って怒らないでくださいね。

だって、参拝に来る人は神様の存在を感じて幸せになります。ミッキーが手を振ってくれるとみんなが笑顔になる。それと変わらないでしょう?

それから、祐徳稲荷神社に祀られている「大宮売大神(オオミヤノメノオオカミ)」は、ダンスの神様ですよね。天照大神が天岩戸にこもっちゃった時に、岩戸の前で舞われたんでしょう? 天照大神をひきこもりから出しちゃうなんて、ディズニーランドのパレードも真っ青の楽しさです。

 

神様が祀られているので、神社の中は聖域です。ゴミひとつ落ちていません。もちろん神職の方々の、見えない努力があるのでしょう。宮司さんや巫女さんの衣装や立ち振る舞いにも、神聖なものを感じます。おそらく、テーマパークのキャストも、見えないところで様々な努力をしていると思います。だからこそ、お客さまは日常を忘れることができるのです。

 

参拝を終えて境内を歩けば、周りには「お守り」という名のキャラクターグッズがたくさん販売されています。

ここは「商売繁盛」の熊手が有名ですが……

「交通安全」

「合格祈願」

「家内繁栄」

「健康祈願」

「金運上昇」

「開運除災」

神様も大忙しですね……。

でも、「お守り」を持つことで、いつも神様を身近に感じることができます。

そうそう! 最近は「御朱印」というサインを集めるのも流行っていますね。神社オリジナルの御朱印帳も素敵です。後から見たときに、参拝の日を思い出すことができます。

 

さあ、そろそろ神社を後にしましょう。参道へ出ると、今度はお土産です。

祐徳みやげと言えば! 「糸切り羊羹」です。

筒に入った羊羹を下から押し出して、付いている糸でクルっと切って食べるのです。お値段も手ごろで、お土産にはピッタリです。昔から変わらない味もお茶によく合います。

私個人の好みですが、天津甘栗もマストです。甘栗、一年中売ってますが、祐徳神社の初詣で買わないと、何か忘れ物をしたような気分になります。カニと一緒で、甘栗って黙々と皮をむいてひたすら食べるのが楽しいです。だから、コンビニに売ってるむいちゃった甘栗は物足りないのです。

 

家に帰ってきても話がつきません。甘栗や羊羹を食べながら、「今日の神主さん、声がよかったねぇ」とか「お稲荷さんだからかな? 狛犬じゃなくて狐が鳥居の両側にいたね」

撮った写真をInstagramに投稿したり。朱塗りの祐徳稲荷は、かなりインスタ映えする神社です。足腰に自信があれば、「奥の院」に登ると絶景を見ることもできます。(ただし300mの登山道にはかなりの難所があります……というか難所だらけです)

 

昔の人も、たぶん同じようなことを話していたでしょう。(Instagramは無かったけど)

今日は佐賀市内から車で小一時間。もちろん日帰りです。

でも昔の人は歩いて、神社を目指したのです。立派な旅行です。

「一生に一度はお伊勢参り」といいます。昔の人々にとって、参拝は「テーマパークへの旅」だったのでしょう。

もちろん、現代の私たちにとっても「非日常」を感じる小さな旅行です。

 

日本には八百万もの神様がいらっしゃる。実はいつも身近に感じることもできるのだけど、たまには一大イベントにして神様ともっと仲良くなる。初詣や祭り、やっぱり日本人には欠かせない。